「まだ更年期の年齢じゃないのに、なんだかずっと疲れている」—
—実は今、海外ではこの感覚に「周閉経期(プレ更年期)」という言葉がつけられ、大きな注目を集めています。
日本では「更年期」と一括りにされがちですが、閉経の何年も前から自律神経の乱れは始まっていると言われて
います。ホットフラッシュ、動悸、めまい、不眠、イライラ、胃腸の不調、頭痛、倦怠感—
—更年期の症状は200種類以上あるとも言われ、「これも更年期のせいだったのか」と後から気づく方も少なく
ありません。
[症状の分類と、医療的な選択肢の正直な比較]
症状は大きく2つのタイプに分けられると言われています。
交感神経が緊張しすぎるタイプ(イライラ・不眠・頭痛・動悸)と、副交感神経が抑制されるタイプ
(胃腸の不調・便秘や下痢・無気力・集中力低下)です。
ご自身がどちらに近いか、まず知っておくと対処法を選びやすくなります。
医療的な選択肢は主に3つあります。
・HRT(ホルモン補充療法):減少したエストロゲンを直接補充する治療で、婦人科で処方されます。
効果の確実性は高い一方、血栓症のリスク上昇や、長期使用での乳がんリスクのわずかな上昇が報告されて
おり、血栓症の既往がある方などは使用できません。
・エクオール:大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換されてできる成分で、HRTよりも緩やかに作用すると
言われています。
研究では肩こり・腰痛・イライラ・不眠・不安感・疲労感に対してHRTに近い改善が報告されていますが、
効果の実感まで時間がかかることや、腸内環境によって効果に個人差が出る点が特徴です。
・漢方薬:体質に合わせて当帰芍薬散(冷え・むくみタイプ)、加味逍遥散(イライラ・不安タイプ)、
桂枝茯苓丸(のぼせ・肩こりタイプ)などが使い分けられます。
甘草を含む処方は「偽アルドステロン症」というむくみ・血圧上昇のリスクがあるため、自己判断ではなく
専門家への相談が望ましいとされています。
ホルモンそのものに関わる部分は婦人科の領域ですが、自律神経の乱れという部分は、
セルフケアや当院のような施術でアプローチできる領域です。
ここが今回、特にお伝えしたいところです。
◎まず「動かす」——腸内環境より先にやるべきこと
「腸内環境を整えるには、まず何をすればいいか」という質問をよくいただきます。
実は、発酵食品や食物繊維を摂る前に、腸そのものが物理的に動く状態を作ることが土台になります。
腸の動きが悪いと、内容物が滞留して悪玉菌が優勢になりやすい環境ができてしまうと言われているためです。
「良い菌を入れる」より先に、「腸が動く状態を作る」ことが先決だということです。
おすすめは「腸引き上げセルフケア」です。椅子に浅く腰掛けて少し前傾姿勢になり、下腹部に両手の指先を
当てます。
息を吐きながら指先を静かに沈め、下腹部を上前方向へ軽く持ち上げるようにスライド、吸いながら力を緩める、
これを5〜10回。
慣れてきたら、指を当てたまま上体をゆっくり前屈させる動きを加えると、圧がより直接的に伝わりやすく
なります。痛みを感じたら中止し、食後すぐや妊娠中、腹部の手術歴がある方は行わないでください。
補助的に、椅子に座ったまま腰を左右にひねる「腰ひねり動作」(3〜5秒キープ×左右5回)や、仰向けで膝を
胸に抱える「ガス抜きのポーズ」(5呼吸×左右)も、すきま時間で取り入れやすいセルフケアです。
◎ホットフラッシュへの対処——冷やす vs 呼吸法
ホットフラッシュが起きた瞬間は、首の後ろを冷たいタオルで冷やす、涼しい場所へ移動するといった対症療法が
実用的です。
一方、頻度そのものを減らす方向のアプローチとしては、ゆっくりとした呼吸法(ペースドブリージング)が研究
されています。
「冷やす」のはその場しのぎ、「呼吸法」は予防的、と分けて考えると分かりやすいと思います。
◎栄養:エクオールを活かす「納豆と海藻の腸活丼」
材料(1人分):納豆1パック、乾燥わかめ大さじ1、オクラ2本、めかぶ1パック、ごはん1膳
作り方:①わかめを戻す ②オクラを軽く茹でてから刻む ③ごはんに納豆、わかめ、オクラ、めかぶをのせて完成
納豆(大豆イソフラボン+発酵菌)、わかめ・めかぶ・オクラ(水溶性食物繊維)を同時に摂れる一品です。
発酵食品は納豆・味噌・キムチ・ヨーグルトを日替わりでローテーションすると、腸内細菌の多様性を保ちやすい
と言われています。
[施術法]
更年期の自律神経の乱れは、「動かす(内臓マニピュレーション)」「切り替える(クラニオセイクラル)」
「整える(波動セラピー)」という3つの角度から、体全体でサポートできると考えています。
セルフメンテナンスでは、自分の指で届く範囲には限りがあり、慢性的にこわばった部分や、体の奥深くの
内臓の動きにくさまでは、セルフケアだけでは届きにくいこともあります。
「更年期だから仕方ない」で片付けず、まずは体の内側から整えることを、一緒に始めてみませんか。
お気軽にご相談ください。