これまでこのシリーズでは、枕が原因ではない疲れ、やる気が出ない体の「通信制限モード」、ハミングによる
迷走神経ケア、日中の過ごし方が左右する睡眠の質——と、自律神経の切り替えにまつわる話をお伝えしてきました。
最終回となる今回は、当院がなぜ脳と内臓、両方からのアプローチを大切にしているのかについてお話しします。
■ 脳と内臓をつなぐ最大のネットワーク「迷走神経」
これまでのシリーズでも触れてきた迷走神経ですが、実はその情報のやり取りの多くは、脳から内臓への一方通行ではなく、内臓から脳への方向で伝わっていると言われています。つまり、お腹や内臓の状態が、脳や自律神経の働き方に影響を与えている可能性があるということです。
「緊張するとお腹が痛くなる」「腸の調子が悪いと気分も沈む」といった感覚は、この脳と内臓のつながりによる
ものだと言われています。
■ クラニオセイクラルってどんな施術?
クラニオセイクラルは、頭蓋骨や、脳と背骨の中を流れる「脳脊髄液」の、本当にごくわずかな動きにそっと
触れる手技です。
ボキボキ鳴らしたり、強い力を加えたりすることはありません。触れるか触れないかくらいのやさしい圧で
行うため、施術中に眠ってしまう方も多いくらいです。
「なんだかリラックスできそう」というイメージを持たれることが多いのですが、それだけではありません。
頭蓋骨や脳脊髄液に働きかけることで、頭部から背骨にかけて広がる筋膜(体を覆う膜状の組織)の緊張がゆるみやすくなると考えられており、これが脳とつながる自律神経の切り替えをサポートすると言われています。
まだ研究段階の理論ではありますが、体が「安心していい」と切り替えるためのスイッチに触れるような
イメージだとお考えください。
こんな方に知っておいてほしい施術です。
・寝ても疲れが取れない、常に気を張っている感じがする
・食いしばりや、肩に力が入っている自覚がある
・マッサージや整体を受けてもその場限りで、すぐ緊張が戻ってしまう
こうした「頑張っているつもりはないのに、体が休めない」状態に対して、脳から自律神経にアプローチできる
数少ない手技のひとつだと言われています。
■ 内臓マニピュレーションってどんな施術?
内臓マニピュレーションは、お腹の中にある内臓そのものに、外側からやさしく触れて、動きやすさを取り戻していく手技です。
「内臓を揉む」というより、「内臓が本来持っている、呼吸に合わせて動く柔らかさを取り戻す」というイメージに近い施術です。
こちらも強い刺激を加えるものではなく、痛みを伴うようなものではありません。
長年の姿勢の癖や、ストレス、緊張状態が続くと、内臓のまわりの膜(筋膜)が硬くなったり、内臓同士が
くっついたように動きにくくなったりすることがあると言われています。
当院では、ただ触れるだけでなく、硬くなって重だるさを感じやすい部分に、やさしい振動を加えながら、
内臓まわりの巡りをサポートしていくというアプローチを大切にしています。
こわばった部分に振動でやさしく働きかけることで、内臓本来の動きやすさを取り戻すサポートになると
考えられており、そしてこの内臓の状態は、迷走神経という神経を通じて、脳や自律神経にも影響を伝えていると言われています。
「お腹の調子が悪いと気分まで沈む」という感覚は、まさにこのつながりによるものだと言われています。
こんな方に知っておいてほしい施術です。
・お腹の張りや、消化の重さが気になる
・ストレスを感じるとお腹の調子が悪くなりやすい
・自律神経の不調とあわせて、内臓のあたりの重さやコリのような感覚がある
■ 安心して受けていただける施術です
どちらの施術も、ボキボキ鳴らす、強く押す、といった強い刺激を伴うものではありません。
むしろ「触れるか触れないか」というくらいの繊細なタッチで行うため、力の弱い方やお子さま、ご年配の方でも安心して受けていただけると言われています。
初めての方には、施術前にどんな手技かをしっかりご説明したうえで行いますので、不安な場合はご遠慮なく
お申し付けください。
■ 他の整骨院・整体との違い
一般的な整体や整骨院では、骨格や筋肉の歪み・コリへのアプローチが中心になることが多いですが、
当院ではそこに加えて、脳(クラニオセイクラル)と内臓(内臓マニピュレーション)という、自律神経に
直接関わる2つの領域からもアプローチしているのが特徴です。
「マッサージしても、整体に通ってもすぐ戻ってしまう」という方の多くは、骨格や筋肉だけでなく、
この自律神経の切り替え自体がうまくいっていないことが背景にあると言われています。
だからこそ、体の外側だけでなく、脳と内臓という体の内側からもケアすることを大切にしています。
■ なぜ両方が必要と考えられているのか
脳だけにアプローチしても、内臓側からの信号が乱れたままでは、自律神経の切り替えが不安定なままに
なりやすいと言われています。
逆に内臓だけにアプローチしても、中枢神経系側の緊張が残っていては十分ではないとも言われています。
脳と内臓、両方向からアプローチすることで初めて、自律神経が本来のリズムを取り戻しやすくなると
考えられています。
これが、当院がクラニオセイクラルと内臓マニピュレーションの両方を取り入れている理由です。
枕を変えても、鼻歌を試しても、睡眠習慣を整えても変化を感じにくいという方は、体の奥から自律神経に
アプローチする施術も選択肢のひとつです。お気軽にご相談ください。