はじめに
季節の変わり目は、気温や湿度の変化で体調を崩しやすい時期です。
その背景にあるのは「水分バランスの乱れ」。実は、わずかな脱水でも
筋肉や関節のパフォーマンスは大きく低下します。
今回は 水分補給と筋肉・関節の関係 をテーマに、普段は見過ごされがちな
“体における水の役割”を、最新の知見や意外な事実とあわせてご紹介します。
1. 体と水分の基本
人の体は約60%が水分。血液やリンパ液だけでなく、筋肉や関節にまで水が満ちています。
水分は次のような働きで生命活動を支えています。
栄養や酸素の運搬
老廃物の排出
体温の調整
神経伝達のサポート
2. 筋肉と水分
筋肉は約75%が水分でできています。
水分は筋肉の収縮・弛緩をスムーズにし、酸素やエネルギーを運ぶルートとしても活躍します。
💡筋肉は“体内の水分タンク”でもあるため、筋肉量が減ると水分保持力も低下し、脱水リスクが高まります。
(Morley JE, J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2016)
3. 関節と水分
関節内の「関節液(滑液)」は主に水で構成されています。
その役割は大きく分けて2つ:
摩擦を防ぎ、動きをスムーズにする潤滑作用
軟骨に栄養を届けるサポート
水分が十分にあることで、この“水のクッション”が関節を守ってくれます。
4. 神経と代謝における水分の役割
水は、電解質(Na・K・Ca・Mgなど)を溶かし込み、神経の電気信号や筋肉の収縮に不可欠です。
➡️ 軽度の脱水でも集中力や持久力が落ちるのは、神経伝達や代謝効率の低下が原因です。
(Grandjean AC, J Am Coll Nutr, 2003)
5. 軟水と硬水の違い
軟水(日本の水道水など)
飲みやすく、日常的な水分補給に適しています。
硬水(ヨーロッパの水など)
カルシウムやマグネシウムが豊富で、筋肉や神経に関与。
ただし慣れないと胃腸に負担を感じることも。
シーンに応じて使い分けるのも効果的です。
6. あまり知られていない驚きの事実
睡眠中の水分ロス:一晩で約500ml失われます。
筋肉は水のリザーバー:筋肉量が減ると脱水リスク増大。
朝の水と「胃結腸反射」:起床後の一杯が大腸を刺激し、便通リズムを整えるサポートに。
冷たい水は刺激が強く腸が動きやすく、温かい水はリラックス作用で腸を優しく刺激。
(Müller-Lissner SA, Scand J Gastroenterol Suppl, 1988)
大腸が喜ぶ水の役割:便を柔らかくし、腸内細菌の働きを助け、短鎖脂肪酸を生み出す土台に。
7. 生活に取り入れる工夫
起床後のコップ1杯で腸と関節をリフレッシュ
運動の前後はミネラル入りの水を意識
食物繊維と一緒に摂って腸内環境をサポート
軟水と硬水を目的に応じて選ぶ
まとめ
水分は「喉の渇きを癒すため」だけではありません。
筋肉のパフォーマンス維持
関節のクッション保護
神経・代謝のサポート
大腸のリズム調整
こうした幅広い役割を担い、体を守る土台になっています。
“体を整えるための水分補給” を意識して、毎日の一杯を大切にしてみましょう。
あなたは「朝の水分補給」、どんな習慣がありますか?
筋肉・関節・大腸のために、今日から一杯の水を意識してみませんか。